女性 70代 主婦
症状:慢性腰痛
現病歴
毎朝、布団から起き上がろうとすると腰が痛く、股関節の動きの悪さも自覚され、腰痛治療の相談を受ける。
鑑別診断
前屈、後屈、側屈、回旋動作での痛みの増強はさほどない。ただ、筋肉や関節の柔軟性の低下はみられ股関節の動きが悪く、臀部の筋肉が硬く緊張している。
運動不足による臀部の筋肉の衰えもある。足の痺れはなく、病院での検査でも特に問題は無いとのこと。
腰痛の80%以上は非特異性腰痛、そして腰周りの動きが悪いことが関係していることをお伝えし治療開始。
治療法
全身の血行促進のため、まずは全身のマッサージを行ったあと、自律神経調整の目的で中枢神経に近い頭部の経穴である天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、肩こりに対しては、肩井(けんせい)、肩外兪(けんがいゆ)、膏肓(こうこう)等の経穴に。腰痛に対しては腰の経穴である志室(ししつ)、腎兪(じんゆ)、大腸兪(だいちょうゆ)と股関節の動きに関わる大腰筋、中殿筋等の筋肉に対してと臀部の経穴である環跳(かんちょう)に刺鍼した。
股関節周りの筋肉が硬いことで、股関節、腰椎、骨盤の連携が悪く腰痛を引き起こしやすくなっているため、最後に仰向けで内転筋、臀部、大腿二頭筋、大腿前面、アキレス腱等を伸ばすストレッチを行った。
週に1回治療を行い、徐々に楽になっている様子がみられ、4回目くらいからは朝起きた時の痛みはほとんど感じられない状態になった。その後も腰痛予防、健康維持のために継続して来院されている。
生活指導
運動不足になると足腰の筋肉が衰え血液循環も悪くなるので、毎日30分のウォーキングを提案。
また臀部の筋肉が硬くなっているので、臀部のストレッチをアドバイスした。