男性 50代 会社員(デスクワーク)
症状:腰から臀部にかけての痛み
発症:来院1日前
現病歴
普段から一日8時間ほどのデスクワークをしているが、ここ最近は職場の環境が変わったこともあり、一日の仕事量が増え座っている時間が長かった。腰の筋肉がかたまっていることを自覚しつつ、ソファから立ち上がろうとした際に腰に痛みが出た。
それ以来、腰から臀部にかけて痛みを覚えるようになり、前かがみになるのが困難になったため、痛みをとり普段通りに生活できるようにしたいとハリアップに来院された。
鑑別診断
体幹の前屈、左右側屈で左右腰から骨盤部にかけての痛みが出現し、可動域制限が見られた。回旋動作はやや痛みは感じるものの制限はなく、後屈動作では不安感がある。
痺れや知覚鈍麻等の神経学的所見は見られず、ニュートンテストによる検査と棘突起上の圧痛は見られなかったことから、筋筋膜性腰痛と判断した。
治療法
積み重なっていた疲労からくる筋肉の緊張緩和を目的として、鍼・マッサージ整体を用いて局所周囲の筋緊張緩和を目的とした治療をすること。また、急性症状の為局所への強い刺激は避けて、頚部から背部にかけてと下肢へのマッサージ・鍼治療をメインとし、初回の鍼治療は腰部への刺激は表面的な軽い鍼刺激程度にすることを患者と共有し、治療を開始した。
発症4日後に来院された際には、安静時痛はないものの、体幹の前屈で左右腰から臀部にかけての痛みが残存。今回は局所の残っている筋緊張緩和をメインに鍼・マッサージ整体を行った。
またある程度動きも出てきていたので股関節周りの柔軟性をもたせるためにストレッチも加えた。施術後、体幹前屈の可動域は改善しており、臀部から下肢後面にかけての張り感が残っていることから、痛みがぶり返さないよう、急性期の症状であることを伝え、3日以内の来院とセルフケアとして臀部のストレッチを指導した。
さらに一週間後、施術後しばらく調子は良かったが来院する2日前くらいから腰の硬さが戻ってきたと話してくださった。
仕事のためどうしても座位の時間が長くなっており、安静時からの動き初めでまた腰がかたまってしまうことを自覚されている様子。体幹前屈で下肢後面の硬さが顕著なので、腰部へのアプローチに大腿後面の治療も行った。施術後、以前の腰を痛める前よりも股関節の動きが良くなっていることを実感して頂き、臀部のストレッチに加えて大腿後面のストレッチも指導。
引き続き、治療間隔を開けつつ、今回のようなぎっくり腰を繰り返さないよう継続して来院されている。