女性 50代 専業主婦
症状:突発性難聴
発症:2021年10月頃
既往歴
上咽頭炎
現病歴
2021年10月末から両耳の抜け感、聞こえづらさが何をしても戻らず、風があたると過剰に音を拾ってしまう症状が現れ耳鼻科を受診したところ、突発性難聴と診断された。
特に音を過剰に拾ってしまうことが気になり、生活していく上で支障が出ているので、早めに解消したく、ネットを検索したところ鍼治療による治療例が豊富に出ていたため、ドクター・リウ鍼灸院 渋谷院に来院。
症状が出た思い当たるきっかけとして、介護での疲れがかなりあり、リズム良く生活を送れずに多くのストレスを抱えていたとのこと。
鑑別診断
既往歴にもある上咽頭炎と相まって耳に影響を与え、難聴の症状が出現した可能性がある。
ストレスによる上咽頭炎の悪化が耳に影響を与えた結果の、突発性難聴と判断した。
治療法
ストレスにより首から背中全体的に張りが強い状態のため、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、上大椎(かみだいつい)、膏肓(こうこう)、その他阿是穴も用いて筋緊張の緩和を図った。
背中の張りが緩和された段階で、身体が軽くなりリラックス状態になり呼吸が楽になってきた。
その後、局所的なアプローチとして、左右の翳風(えいふう)、聴宮(ちょうきゅう)への置鍼、鼓膜へ刺激を与えるための手技を加えた。上咽頭炎もあることから、鼻周りのツボや廉泉(れんせん)などを用いて咽頭へのアプローチ(迎香に置鍼)とした。
上記治療を行った結果、抜け感が解消され音がクリアになったと話してくださった。一週ごとに1ヶ月半治療を行い、抜け感、聞こえづらさ、風の音を過剰に拾ってしまう症状はほぼ消失し、身体全体の調子も良くなってきている。
生活指導
翳風のマッサージや耳たぶを回すマッサージ、手を使った耳抜きを伝え、毎日欠かさず行ってもらった。
また、耳に良い栄養素としてビタミンB12(神経の栄養・促通)、ビタミンC(ストレスの解消)など、食事からの症状改善も有効的になってくることをお伝えした。