女性 53歳 主婦
症状:ホットフラッシュ、不眠、肩こり、片頭痛
現病歴
閉経後、ホットフラッシュ、不眠などの典型的な更年期障害の諸症状が現れるようになった。また、すぐにイライラするなど、心因性の要素も含まれた症状も現れていた。
婦人科で治療を続けたが、さほど症状が軽減する兆候が見られなかったので、友人の紹介でハリアップを訪れた。
鑑別診断
問診をしたところ、患者の訴える症状はいずれも閉経後に出現したもので、女性ホルモンの分泌低下が原因とした更年期障害と考えた。
治療法
最初は2日おきのペースで、翳風(えいふう)と風池(ふうち)、合谷(ごうこく)、外関(がいかん)、足の陰陵泉(いんりょうせん)、三陰交(さんいんこう)、承山(しょうざん)、飛揚(ひよう)などの経穴、ふくらはぎなど下肢の阿是穴に鍼による治療を施した。また、緊張しやすい頚部と後頭部への指圧マッサージも併用し、副交感神経優位になるよう促した。
また、薬の服用によって、入眠障害に陥っているようなので、昼間は寝ないで適度な運動を習慣化するようアドバイスした。
1回の治療ごとに目覚ましい変化が現れたわけではないが、治療の回数を重ねるにつれ、少しずつ症状は軽減し、3ヶ月で更年期障害によるすべての症状が軽快した。肩こりや片頭痛など、閉経よりかなり以前から悩まされていた慢性的な症状も軽くなり、日常生活が過ごしやすくなったと話してくださった。