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頚椎症:頚椎症/鍼灸治療レポート15

女性 30代 会社員
症状:頚椎捻挫、首から背中の痛み

現病歴

来院される2週間前に車の追突事故を起こした。入院するなど大きな怪我はなく、病院で検査を受けたが骨折や神経の損傷はないと言われた。
首の症状はなく背中(左側)に痛みがあったため近所の整骨院に行ったが症状が改善されず、ハリアップを受診された。

鑑別診断

頚部の自動運動や徒手検査では背部に痛みはなく、腰部の後屈、左回旋時に痛みが出現(T4~T6の脊際)。
他にめまいや吐き気、歩行障害や知覚障害もないことから、神経根や脊髄の損傷の可能性は低いと考え頚椎の捻挫型と判断した。

治療法

まずは伏臥位で頚部から腰部にかけて筋肉の緊張が強かった部分に、全体の緊張緩和を目的としてマッサージから治療を始め、胸椎第4番から6番の脊際に圧痛があったことと急性期ということも考慮、その箇所は避けてマッサージを行った。次に鍼で天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、大椎(だいつい)、身柱(しんちゅう)から膏肓(こうこう)、上大椎(かみだいつい)に刺鍼。置鍼は上大椎、膏肓に。
痛みがある脊際の箇所は浅めに刺入し置鍼を。置鍼後は脊柱起立筋の緊張緩和を目的に、腰部の命門(めいもん)、志室(ししつ)、大腸兪(だいちょうゆ)に刺鍼した。
再度マッサージで筋肉の状態を確認し、先ほどの圧痛が軽減していること、回旋時の痛みの軽減を自覚された。
仕事が忙しいこともあり、次回の来院は1週間後となったが、2回目の来院時は背部の圧痛や回旋時の痛みの減少が維持されていたので、前回と同様の流れで施術を行った。脊際への鍼の刺激は、患者の状態を確認しながら刺激の強さを調整して刺鍼を行い、施術後は脊際の圧痛はだいぶ軽減されたこと、回旋時での痛みが少し残存していることを確認した。その後も治療を続け、5回目の鍼治療で回旋時の痛みも気にならない状態まで戻った。

デスクワークに加え長時間の移動が毎日あるので、腰部や臀部の張り感が首や背部に影響しないようストレッチを指導した。

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