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下痢症:下痢症/鍼灸治療レポート6

女性 30代 営業職
主訴:過敏性腸症候群

既往歴

5~6年前にノロウイルスによる胃腸炎

現病歴

2021年春先から、繰り返す下痢と便秘になるようになった。便秘は下剤の服用により対応しているが、急な腹痛と下痢には悩まされている。
来院される1週間前、病院を受診し器質的疾患はなく、過敏性腸症候群「IBS」と診断され、飲み薬を処方されている。営業職で普段から外出が多いので、常にトイレの心配をしている状況のため、症状改善に来院された。

鑑別診断

すでに病院で過敏性腸症候群との診断を受け、投薬による治療を開始しているので、治療メニューは美腸鍼のコースを勧めた。
漢方薬を含む薬の治療で、症状はやや改善されているかなと感じる程度で著効はないとのこと。4月に転職をしたことによるストレスも症状を悪化させている要因になっている模様。休日にはほとんど症状が出ないとのことからも、仕事のプレッシャーが誘因になっているのは確実と思える。

治療法

触診をすると腹部の緊張が強く、揉捻でも痛みを訴えたため、マニュアル通りの手順ではなく頭・頚部のマッサージから施術を進めた(腸脳相関を利用し、まず脳にリラックス感をもたらし、消化器系及び腹筋群の緊張を和らげる意図)。頭頚部のマッサージの途中、腹部に浅く置鍼し、赤外線でお腹を温めた。同時に頭・頚部のマッサージを続け、充分な弛緩状態に誘導した後、頃合いを見て抜鍼、ソフトな腹部マッサージを開始した。
治療当初より腹部の緊張は緩和されており、痛みは軽減。指圧マッサージの圧を加減し、入念にマッサージをし続け、患者自身も腸が動いてお腹の張りが抜けていることを実感された。

生活指導

慣れない仕事や、体調の不安から脳がストレスを受け、腸に適切な情報を送れないことと、不調の腸から脳へ送られる情報が、また脳のストレスを生む悪循環を形成する「腸脳相関」を説明した。投薬の治療を続けながら、ストレスを軽減するリラックスタイムを設けること、腸内環境を整える(暴飲暴食をしない。バランスの良い食事。ビフィズス菌入りのベイビーフローラを飲むことなど)生活を指導した。

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