50代 女性 会社経営
症状:右顔面神経麻痺(ラムゼイハント症候群)
発症:2022年3月上旬
現病歴
来院される2ヶ月前に帯状疱疹発症後髄膜炎を患い、そこから顔面神経麻痺に移行してしまった。同時に難聴と耳鳴りも併発。
発症してから病院へ行き、ステロイド治療のため入院。入院中に治療できるところをインターネットで検索され、顔面神経麻痺に特化した鍼灸院を探して当院にたどり着いた。
お仕事柄お客様と顔を合わせたりするため、できるだけ早く元の状態に戻りたいとの強い願いがあった。
鑑別診断
右の口角が上がらず、口をすぼめる動作や、頬を膨らませる動作も困難で、目の左右の動きもほとんどなく、瞼を完全に閉じたり、閉めたりすることが難しい状況だった。
医師の診断もと下、顔面神経麻痺の治療を開始。
治療法
ドクター・リウ・メソッドにおける顔面神経麻痺治療は、顔面神経の根幹部である耳たぶ後ろの翳風(えいふう)というツボから刺激をしていく。
角度や深度は患者の反応によって決めていく。この患者は少ない刺激でも微妙に顔の細かい動きがみられた。
帯状疱疹を伴う場合には、お灸を併用し、神経に潜んだウイルスを散らしていく。
その他、顴髎(けんりょう)、四白(しはく)、晴明(せいめい)、耳鳴りの治療に頚部の風池(ふうち)、耳門(じもん)、百会(ひゃくえ)、瘂門(あもん)、上大椎(かみだいつい)にも刺鍼を。週に1回の治療を5回ほど続けたところ、9割程度まで改善。
微妙な違いで他人から見たらほぼわからないような感じだが、本人的には元のように治したいとのことで治療を続けている。今後も同じペースで、顔面神経麻痺・耳鳴りを改善させていくために治療計画を共有し、来院されている。