女性 68歳 主婦
症状:右手の運動時痛
現病歴
来院の2ヶ月前から、手を使うと次第に痛みを感じるようになり、重いものが持てなくなった。
痛みがひどくなるに従い、家事など日常生活の動作にも支障をきたすようになったので、知人の紹介で当院に来院された。
鑑別診断
痛みによる手首の運動時痛がひどく、手首の掌屈と背屈が困難だった。
タオルを渡してタオルを絞る動作をしてもらったが、痛みによってこの動作ができなかった。また、手首に圧痛があった。
以上のことから、手根管症候群や関節リウマチなどではなく、腱鞘炎だと判断した。
治療法
阿是穴への灸による治療を施すとともに、肩髃(けんぐう)、曲池(きょくち)、内関(ないかん)、外関(がいかん)など、肩と腕の経穴に鍼による治療、マッサージ治療を併用。
週に2回の治療を続けたところ、4回目の治療で圧痛が著しく良くなり、手首の違和感もなくなり、手首の掌屈と背屈もかなり楽になった。日常生活の中でも動きに伴う痛みが軽減した。
その後も週に2回のペースで同様の治療を続けた結果、約2ヶ月で痛みは消失し完治した。