男性 40代 会社員
症状:ぎっくり腰
現病歴
来院の2日前から左腰の痛みを感じるようになった。痛みが出始めた日の昼間、子供と自転車で家の周辺を走っていた。補助輪で走っているため、子供の背中を押したり自転車に乗りながら振り返ったりと、無理な姿勢をとることが多かった。その日の夜から腰に違和感が出始め、次の日には腰の痛みがより増したのでその日は安静にしていたが、痛みが変わらずハリアップに来院された。
来院時が一番ピークで痛みが強く、歩いたり、座ったりしていても痛みを感じる状態。睡眠中、寝返りをうつと痛みで起きてしまうほどと話された。
鑑別診断
ベッドに横になる動きでも痛みが出てい状態で、腰部から臀部周辺に熱感あり。
腰部動作時痛、安静時もやや痛みがある。膝裏の委中(いちゅう)の反応あり。
温めても痛みは変わらず、やや増悪。夜間の痛みはなし。以上のことから、筋筋膜性の急性腰痛と判断した。
治療法
来院時、座っている姿勢でも痛みがあるとのことであったため、すぐに治療できる体勢になってもらった。
頚部から背部にかけて脳脊髄液の循環促進、また鎮痛効果を期待し刺鍼した。痛みで敏感になっている腰部へは全体的に切皮程度の刺激にし、患部周辺へのマッサージは行わなかった。腰部までの治療を5分ほどで行い、腰部の抵抗運動(整体)を行なった。
抵抗運動の後に、下肢の殷門(いんもん)、委中(いちゅう)、アキレス腱部に刺鍼し、抜鍼後に2回目の抵抗運動を行い、この時点で来院時の半分に痛みが軽減。
腰部と表裏関係の胃腸機能の促進のため、天枢(てんすう)、大横(だいおう)にマッサージを行い終了とした。
筋肉の炎症がまだあることから、治療後から翌朝までは冷やしながら体を休めるよう指導した。