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顔面神経麻痺:顔面神経麻痺/鍼灸治療レポート25

30代 女性 主婦 
症状:右顔面神経麻痺
発症:2022年5月上旬

現病歴

2022年4月に第一子を出産。その際に耳鳴りが発生した。耳鳴りが治った頃に、右顔面神経麻痺を発症した。
発症後すぐステロイド治療を行い筋電図検査を行ったところ重度と診断され、医師からは「4~5ヶ月は改善するまで時間がかかり、完治するか分からな」と言われたので、気持ちがとても落ち込み、何か同時にできる治療はないかとインターネットで治療法を探して、当院のホームページにたどり着いた。

鑑別診断

口角の引き上げ、口をすぼめる動きや頬を膨らます動きが悪く、強く閉眼、眉の引き上げ、それぞれで大きく左右差がみられた。
めまいや発疹などはみられず、特発性の顔面神経麻痺(ベル麻痺)と判断した。

治療法

鍼治療は初めてということで、治療前から緊張されており、触診のマッサージで触っただけでも痛みがあるとのことだったので、必要最低限の刺激量で治療を開始。
表情筋が拘縮しないよう血流を改善することを目的に指圧マッサージ、顔面神経の賦活化を目的に、顔面神経の走行上を狙って刺鍼した。また、顔面部への血流促進のため、頚部肩部の筋緊張緩和を目的に治療をした。
顔面神経の根幹である翳風(えいふう)、顔面神経末梢を狙って顴髎(けんりょう)、太陽(たいよう)に刺鍼。
最初の3回は治療間隔を詰め、末梢神経への刺激を継続的に入れることで、神経回復を促せることを伝え治療計画を共有した。

2回目の治療は2日後。前回後、目の周りの動きが良くなっていることを実感されたが、そこから徐々に元に戻ったと話された。
鍼刺激は大丈夫だったが、まだ緊張はするとのことで刺鍼の響き感を確認しつつ、治療を。太陽、四白ともに刺激量を少し増やして治療を。
3回目で目の乾燥具合が改善し、小鼻周りの筋肉に力が入るようになってきたことを実感された。
5回目の治療時点で、目元と口元ともに動きは全体的に確認できるようになり、目の乾燥も和らいできた。少し話しにくさがあると話されたが、7回目の治療で日常的に気になることはなくなり、麻痺の具合は8割ほど改善。日常生活において気になることはほぼなくなった。笑顔を作るときにまだ口角の上がり具合の左右差を感じるので、更なる改善を目指して治療を継続している。

今回は、ステロイド剤の治療と並行して早い段階から鍼治療を行い、また短い間隔で続けて治療することができたことも末梢神経の回復を促せたと考える。

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