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ぎっくり腰:ぎっくり腰/鍼灸治療レポート19

男性 40代 会社員
症状:急性腰痛

現病歴

10年前にぎっくり腰を経験してからは筋トレ、鍼治療でときどきメンテナンスをしているが、ここのところ仕事も忙しく座っている時間が長く疲労も溜まっている感じがしていた。
忙しかったので運動不足になっていると思い、来院前日久しぶりにジムへ行って筋トレを行ったが、来院当日の朝、起きようと体に力を入れると背中から腰にかけて強い痛みがあり歩くのも痛い状態となってしまった。
翌日から出張の予定もあったため、少しでも痛みが軽減すれば良いと思い来院された。

鑑別診断

長時間のデスクワークでの不良姿勢が続き、背部から腰部にかけての筋肉が硬くなっている状態で急に運動をしたことから、筋肉を痛めて炎症を起こしている。
痺れなどの神経症状はなく、動作時に強い痛み、患部に熱感があることから筋筋膜性のぎっくり腰と判断した。

治療法

反り腰による背中の筋緊張をとるため、熱感のある患部を避け首から腰にかけて脊柱起立筋を押圧。炎症を助長しないように注意しながら圧痛のある部位に単刺で鍼刺激を行った。
次に腰の負担を軽減させる目的で臀部、大腿部のマッサージ、膀胱経の反応の出でいるツボに鍼刺激を。最後に、椅子に座ってもらった状態で腰部の抵抗運動を行った。
治療後、痛みは軽減し歩きやすくなったと話された。
出張があったため1週間後に再来院。1週間経って、動作時の強い痛みは消失したが、前屈みになる動作が怖くてできないのと腰の痛みが残っている。
炎症期は過ぎているので、背部の硬さがあり痛みの原因となっている脊柱起立筋を中心に、背部から臀部、下肢の指圧マッサージを行い、その後に脾兪(ひゆ)、腎兪(じんゆ)、大腸兪(だいちょうゆ)、阿是穴に刺鍼し、その後に腰部の抵抗運動を行った。
治療後は前屈の怖さも減り、残っていた腰の痛みもかなり軽減した。

生活指導

1回目は腰部に炎症があったため、炎症を助長させるお風呂と飲酒を控えるようにアドバイス。2回目は慢性腰痛、ぎっくり腰の根本原因が腰椎の過前弯にあること、腹筋の弱さが関係していることを説明し、腰椎が伸展位(反った状態)で硬くなった状態を作らないよう姿勢に気をつけることと定期的なメンテナンスを勧めた。

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