女性 20代 会社員
症状:便秘症
既往歴
高校生の頃に過敏性腸症候群「下痢型」と診断
現病歴
3年前から週に3回程は便のスッキリしない感じや、2日は全く便が出ない時がある。その頃に内科で過敏性腸症候群の便秘型と診断を受け、便通を促すためのマグネシウムや漢方を服用しているが、なかなか変化はみられない。薬以外で治療できることはないかインターネットで調べていたところ、ハリアップの治療例を見て自分も同じように治療をして早く改善したいという思いになり、六本木ヒルズ院に来院された。
鑑別診断
両下腹部の張り感、足の冷えも常にあり、首肩こりや頭皮の硬さも自覚している。睡眠時間は7時間とれてはいるが、仕事のことを考えてしまうこともあり途中で起きたり、起床時もすっきりせず疲労感が抜けないことも多い。また、便秘になるタイミングも快調になるタイミングもよくわからない。ここ3年で職場の上司から引き継ぎ業務などの仕事を抱えることが多くなり、環境の変化によるストレスで自律神経が乱れてしまい、その影響で腸の働きを悪くし便秘を引き起こしていると判断。今回はお腹の治療に特化した美腸鍼のコースで腸の蠕動運動を良くし、便秘の解消だけでなく頭部の刺激で自律神経のバランス調整とストレス緩和につながることを伝え、治療を開始。
治療法
最初にお腹周りを指圧マッサージで刺激し、腸の働きをよくする目的で腹部の天枢(てんすう)、中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)、水分(すいぶん)、足の冷えに対して三陰交(さんいんこう)に刺鍼した。その後、より腸内への血液循環を促す目的で腹部に赤外線を当て、天枢(てんすう)に置鍼5分。
自律神経のバランス調整に頭部の百会(ひゃくえ)や四神総(ししんそう)に刺鍼とマッサージ。最後にお腹のストレッチをいれた。
治療後は足の冷えがなく温かさを感じ、お腹の張りもなくなったと効果を実感された。治療時は眠くなるくらいリラックスされ、その反応は中枢である脳にも刺激をしたことで副交感神経が働き、便秘症状を治すためにも必要な反応であると伝え、1回目の治療は終了。
2回目の来院時、便秘もなく便通も良好と仰っていた。1回目と同様の治療を行い、治療後は症状がひどくならないように週1回ペースの治療を提案。現在も継続されている。
腸への刺激を与えるように水分摂取を心がけること。ビフィズス菌サプリメントは、腸の働きが活発になりやすい夜の時間帯に作用するよう夕食後に飲むよう指導した。