腰痛症／鍼灸治療レポート22

女性　30代　会社員
症状：慢性腰痛

現病歴

出産後、3年以上にわたり慢性的な腰痛に悩まされている。自然に治ると思い放っておいていたが治る気配はなく、育児や仕事で忙しく、疲れてくると余計に重だるい痛みが強くなる。
仰向けで寝るのも痛いときがあり、早く痛みをなんとかしたいと、当院を利用されたことのあるご家族の紹介で来院された。

鑑別診断

痺れなどの神経症状はなし。
妊娠中は骨盤が倒れて反り腰になりやすくなり、その状態が出産後も癖になり反り腰の状態が続くと腰の筋肉に負担がかかり続け痛みや重だるさが出やすくなる。
また、仰向けで寝ても腰に負担がかかるため寝ている姿勢でも腰が痛くなる。実際に立っている姿勢でもお腹が前にぽっこり出て、腰が反っている状態がみられた。
反り腰による筋筋膜性の腰痛と判断した。

治療法

反り腰は交感神経との関わりも深いため、交感神経の興奮を抑えるために頚部のツボ、天柱（てんちゅう）に刺鍼し、その後、腰の筋肉の緊張緩和の目的で背部兪穴の脾兪（ひゆ）、腎兪（じんゆ）、大腸兪（だいちょうゆ）、圧痛のある阿是穴、膀胱経の流れを良くする目的で下腿部の委中（いちゅう）、飛陽（ひよう）、腰に影響を与える股関節の動きを良くする目的で臀部にある環跳（かんちょう）に刺鍼した。
腰部の影響を受けやすい肩甲骨周りや背部にも循環改善目的で全身のマッサージを行い、股関節の動きを改善するため股関節周りのストレッチを行った。
治療後、腰の重りがとれたように感じ軽くなったと話された。