女性 50代 会社員
症状:右手首の痛み
現病歴
商業施設の清掃をしており、来院される何ヶ月も前から右腕や手首に痛みが出てきた。整形外科を受診したところ、腱鞘炎と診断された。
整形外科ではテーピングと痛み止めの薬をもらい治療は終了。仕事はその時はおさえていたこともあり、症状も落ち着いてきた。しかし、しばらくして業務を通常に戻し再開したところ、また痛み出だしたのでハリアップに来院された。
鑑別診断
手首を動かすと痛みが出る。雑巾を絞るなどの動作がつらい。フィンケルシュタインテスト陽性。
指のこわばりや痛みがないので、リウマチや手根管症候群の可能性は除外。手の使い過ぎによる腱鞘炎として判断し、治療を開始。
治療法
手首や腕以外にも首や肩にも筋緊張が見られたので、局所だけでなく首から肩、腕、手首と全体の血流改善と筋緊張の緩和をしていく。
側臥位にて頚部から肩、腕、手首とマッサージを行い、頚部の経穴の風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、上大椎(かみだいつい)に刺鍼。肩髃(けんぐう)、曲池(きょくち)にも刺鍼を。曲池と前腕の阿是穴に置鍼。抜鍼後、手首周りの外関(がいかん)、内関(ないかん)に単刺後、手首の阿是穴に置鍼。再度マッサージを行い終了した。
施術後はまだ手首の動作痛はあるが来院時よりも痛みは軽減し、前腕や首肩の張り感も楽になったと話された。
痛み・炎症時は生活や仕事でなるべく右側は使わないように指導した。
10日後に2回目の鍼治療を。
前回でだいぶ痛みが緩和された様子とのことで、引き続き首から手首まで治療を行った。施術後、手首の動きによる痛みは軽減した。
生活指導
今後の予防として手を使い過ぎた時はアイシングをして筋肉の炎症を抑えること。ストレッチをすることで血流改善やケガの予防になることを伝えた。