女性 50代 会社員
症状:むち打ち後の頚部の痛みと痺れ
現病歴
来院される6ヶ月前、歩行中に車とぶつかり転倒。その時点では、手と転倒した際に打った腰の痛みは感じたものの頚の痛みはあまり感じなかった。
事故後すぐに整形外科で診察を受け、レントゲンで頚椎に異常はなく、むち打ち症と診断され痛み止めと湿布を処方され、しばらく様子を見ていた。
その後、頚の痛みと手のしびれの症状が出現し、時間が経てば治ると思い湿布を貼っていたが、事故後すぐの強い痛みとは異なるものの、3ヶ月を過ぎても痛みと痺れに悩まされ困っていたところ、友人の紹介でハリアップに来院された。
鑑別診断
むち打ち症は正式名称頚椎椎捻挫といいます。首がむちを打つようにしなった動きをして損傷することから一般的にむち打ち症と呼ばれます。
問診からも交通事故により、頚部に急激に過度の伸展や屈曲が起こり、頚部の組織が損傷されたことが原因のむち打ち症が痛みの原因となっている。
神経根症状もあるのは、デスクワークが多いこともありストレートネックと胸椎後弯(猫背)がみられ、前に突き出た頭部を支えるために頚と肩の筋肉や周囲組織に負担がかかり、事故以前より頚椎症が存在していた可能性もあると考えられる。
交通事故の衝撃が重なったことで、頚部周囲の筋肉と周囲組織が硬直し症状を悪化させていると判断した。
治療法
鍼治療が初めてということだったのと首の痛みによって身体が硬直しているため、心身のリラックスと循環改善目的でマッサージ整体を行い、その後、痛みによる交感神経の興奮を抑えるために頚部のツボ、筋緊張を改善するために頚椎周辺の硬結が顕著な場所、僧帽筋、肩甲挙筋、板状筋、斜角筋などの負担が強くなり痛みの原因となっている場所に、痛みや響きの感じを確認しながら鍼を行った。
治療後は前後、左右に首を曲げる動作で痛みが出ていたのが軽減した。
1週間後に2回目の鍼治療。治療後、当日はややだるい感じが出たものの翌日にはその症状は消失し、痺れも痛みも軽減。
首を前に倒す動作時の痛みを特に気にされていたが、改善した。
3・4回目で首の痛みも痺れもかなり楽になり、痺れも感じなくなったと話してくださった。
不良姿勢による影響で肩や腰に負担がかかっていること、体調や気候により肩や腰の辛さが出やすいため、循環改善のためにも2週間に1度の頻度で治療を継続している。
生活指導
デスクワークでの不良姿勢が頚椎の椎間板に負担をかけやすく、症状が楽になった後も椎間関節に負担をかける姿勢をとり続けると首に負担がかかることを説明し、顎をひき肩甲骨を後ろによせる意識をするようアドバイスした。