男性 50代 会社員
症状:額や頭皮の痛み
現病歴
来院される2週間前から目の周りや鼻根、おでこや頭皮がピリピリ痛くなり、赤いツブツブの発疹ができ、目も結膜炎のように赤くなったので病院を受診。帯状疱疹と診断され、抗ウイルス薬と鎮痛薬を処方されるが症状に変化がなく、インターネットで調べて鍼灸が有効なことを知り、ハリアップに来院された。
鑑別診断
目の周りや鼻根部、額に赤い発疹がみられ、皮膚も赤みをおびて目も結膜炎のように赤くなっている。
顔面神経麻痺や耳の症状がないことからラムゼイハント症候群ではなく、三叉神経第一枝に表れる眼部帯状疱疹と判断する。
治療法
仰臥位で三叉神経第一枝に対して顔面部にお灸をした後、耳門(じもん)、下関(げかん)、陽白(ようはく)、頭維(ずい)に刺鍼。太陽(たいよう)、攅竹(さんちく)に置鍼を。
その後、横向きになってもらい、筋肉を柔軟にして自律神経の調整を目的に頭部、頚部、背際をマッサージ後、角孫(かくそん)、風池(ふうち)、上大椎(かみだいつい)、ストレス解消に膏肓(こうこう)、目のツボで肝兪(かんゆ)、耳周りの経絡で胆兪(たんゆ)、脳腸相関で働きを促すため大腸兪(だいちょうゆ)に刺鍼した。
三叉神経の鎮痛作用に翳風(えいふう)、顔のツボに5分置鍼して血行を改善させ神経の賦活化を図る。
最後もう一度仰向けになってもらい、脳腸相関でセロトニンやドーパミンを賦活化し精神的なストレス緩和のため、腹部のツボ中脘(ちゅうかん)、天枢(てんすう)、水分(すいぶん)、耳周りの循環改善に足の胆経の陽陵泉(ようりょうせん)ほか下腿部に刺鍼して施術終了とした。
生活指導
週に1回の治療を続け、5回目以降から発疹が消失し、目の赤みは病院で処方された軟膏を塗って改善した。
継続して治療され、ストレスを溜めないようにジョギングなどの運動したり睡眠を十分とり、栄養バランス考えた食事、発酵食品も多めにして免疫力を高めるように指導した。