女性 30代 専業主婦
症状:肩こり、右顎関節症
現病歴
3年ほど前の出産を機に、右の顎に何となくの違和感を感じている。
しばらくして満足に口を開けられなくなり、無理やり開口しようとすると顎関節部の音(カクッとする感じの音)がなっている状態だったため、歯科を受診した。
マウスピース着用や開口訓練等を行ったが目立った改善はなく、痛みに関しては現在もロキソニンを定期的に服用し、痛みをしのいでいる状態。
早くなんとかしたいと思い、知人にこのことを相談したところ、現在、顎関節症の治療に通われている知人から鍼治療が顎関節症に効果があると聞き、ハリアップセルリアンタワー院を紹介され来院された。
鑑別診断
実際に口を開けていただいたところ、自然に開口した際は指2本半程しか開口できでおらず、開けようとすると音と痛みも伴っている状態。
ある程度口は開けられるが、関節円板がずれている復位性の顎関節円板障害と判断した。
治療法
側頭筋、咬筋の筋緊張過多、普段からの首肩こりに加え、頚椎のアライメント異常も顕著であったため、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、頚部阿是穴、角孫(かくそん)、下関(げかん)、頬車(きょうしゃ)に刺鍼後、頚部阿是穴に置鍼した。
咀嚼がうまくいっていないため、唾液の量も少ない状態で免疫力も落ちていると仮定し、上記の局所的なアプローチに加え、内臓調整のための腹部のマッサージも行った。
また、頭皮の張りも顕著だったため、頭部マッサージも実施した。
この間で2回ほど、顎関節への抵抗運動を実施したところ、自然な開口が指3本分ほど開けられるようになっていた。
鍼が顎関節症に効果があることを知らずにいたため、「もっと早く知っておけばよかっ」」と鍼治療の効果を実感されていた。
上記治療を週1回で4回実施したところ、痛みも薬要らずで抑えられ、症状もほぼ気にならないところまで改善している状態になった。
現在は2週に1回の治療で、良い状態を保てている。
生活指導
自分でもできる顎の抵抗運動と頚部のストレッチや温めることを指導した。