女性 40代 会社員
症状:不眠、肩こり
現病歴
寝付くまでに平均的に2~3時間かかり、ひどいときは4時間かかるため、夜が長くストレスで気が休まらない。
寝るために部屋を暗くしても考え事をしてしまい不安になり、首肩の凝りが不快で気になって寝られない状態が続いている。
来院1ヶ月前に肩甲骨内縁のあたりに強い痛みが出て、整形外科を受診したところ、第5頚椎の神経圧迫によるものと診断された。その際にあった痛みはほとんど改善したが、強い凝り感が残り、この頃から段々と寝られなくなっていったと話された。
仕事はデスクワークで姿勢が悪く、巻き肩・ストレートネックになっていることが神経圧迫の原因になっていると整形外科で指摘された。
今年に入り子供の小学校入学、中学校受験が重なり、環境の変化や受験に対する不安感からのストレスも強く感じていたそう。
問診で胃もたれや便秘などの消化器系の不調も確認でき、自律神経バランスの乱れによる不調が身体全体的に表れていることを共有した。
鑑別診断
触診にて背部に胃・腸の反射と思われる硬結、頚肩部に眼精疲労・脳疲労時に多く触れられる反応を触知。
継続的で強度なストレスにより、常に交感神経優位になることで身体の緊張感を増長。
それに伴う内臓機能の低下により、ホルモンバランスの乱れや血流の悪化などが、睡眠の質を悪化させているものと考えた。
治療法
伏臥位にて頚部から腰背部にかけて、自律神経の乱れや肩甲骨内縁部の疼痛により起こった筋緊張の緩和を目的に鍼・マッサージにてアプローチを。
その後、側臥位にて肩関節周辺のストレッチを行うことで血流の改善を図った。
最後に、仰臥位で頭部、腹部のアプローチを行い自律神経の乱れや脳疲労改善を図った。
治療後、頚部可動域の改善や筋緊張の緩和、視界の広さを実感され、睡眠の質に関しては、その後過ごしていく中でどのように変化しているか観察し、共有していくこととした。
数日後来院された際、施術後当日は家に着くなりすぐ眠くなり、熟睡することができたと話してくださった。
その後、1週間の間、寝つきの悪い日は数日あったものの、以前ほどの寝苦しさは感じず、鍼治療を継続しているなかで調子の良さを感じている。
ただ、仕事がら首肩こりの不快感による寝つきの悪さがいまでもあるため、筋緊張の緩和を目的とした鍼・マッサージ整体、ストレッチによるアプローチを続けるごとに、治療後リラックスの質が高まっている。
生活指導
睡眠の質向上のため、睡眠前に酷使している目を温めることで目や脳への血流を促進させるように説明した。
ストレスを感じやすい状況なので、ビフィズス菌を腸内に取り入れることで腸内環境を整え、自律神経やホルモンバランスを調整し、少しでも睡眠の質を高められるよう提案した。