女性 50代 主婦
症状:更年期障害、ホットフラッシュ、倦怠感、不眠
現病歴
この半年ぐらいから自律神経が乱れている気がする。何もないのに気分がふさぎ込むことや、具体的な理由もなく悲しくなり涙が出る。夜寝つけないことが多くなり、途中でトイレに起きることが度々ある。
そのせいか、朝起きても熟睡感がなく常に疲れを感じている。しばしば顔が火照り、顔にだけ汗をかく。インターネットで検索すると、更年期障害に該当していることが分かったが、ホルモン療法など薬に頼りたくないので、病院には行っていない。以前よりも肩こりが酷くなっているので、肩こりと自律神経を整えることで、更年期による不調を解消したいと、ハリアップをインターネットで検索し来院された。
鑑別診断
主訴の訴えと年齢を鑑みて、女性ホルモンの分泌低下による更年期障害でほぼ間違いないと考えられた。
病院での適切な治療の選択もあったが、当人がそこまでの必要を感じておらず、主な目的が肩こりと睡眠障害の解消だったため、肩こりを含めた全身の緊張を解き、自律神経を整え不定愁訴の軽減を図ることにした。
治療法
症状から脳神経疲労コースを提案した。最初に座位で肩と首の可動域を確認したあと、伏臥位で肩首をマッサージし、凝りを実感してもらった。その後、鍼を硬結部位に打ち、再び同部位をマッサージした。
最初のマッサージと、鍼を打った後の二度目のマッサージを受けた感じを比較してもらって、凝りが解消していることを実感してもらった。座位になって、再び首と肩の可動域を確認してもらい、可動域が拡大していることを共有した。改めて伏臥位のなってもらい、背中・腰・脚のマッサージと鍼をし、全身の緊張を解いてから、仰臥位で腹部と首頭の施術をした。
腹部の施術は腸脳相関があり、腸内環境を整えることで、自律神経やホルモンバランスの乱れを解消することができると説明をした。頭部の施術中に睡眠に導いた。施術後は良好で、肩首が軽く視界が明るいと仰っていた。
生活指導
適度な運動とバランスの取れた食事(特に、女性ホルモンと構造が似ていると言われている大豆イソフラボンの積極的な摂取)を指導した。適度な気晴らしを取り入れるなど一般的な指導を行った。
二度目の治療では、肩こりと不眠が軽減し、他の愁訴も以前ほど気にならなくなったと話された。さらなるQOLの向上のために、現在も月に一度の頻度で鍼治療を続けている。