男性 50歳 会社員
症状:首の鈍痛、腕のしびれとだるさ、肩こり
現病歴
約3ヶ月前から首の鈍痛、腕のしびれとだるさ、知覚が鈍いなどの症状が出現し、次第にそれらの症状がひどくなり、手指にも症状が現れるようになった。
親指と人差し指がしびれるようになった。首の痛みはとくに運動時に悪化した。
症状が出現して2週間後に、近くの整形外科でX線検査を行った結果、頚椎症と診断され、牽引などの治療を受けたが際立って良くなることはなく、友人の紹介で来院した。
鑑別診断
触診をすると、頚椎4番、5番、6番に軽度の変形が認められた。上や下を向いたときに、運動時痛が顕著になった。また、痛みによる可動域制限も認められた。
問診の結果、スポーツ障害による頚椎症ではなく、頚椎の椎間板の退行変性(加齢による変化)によるものだと特定できた。
治療法
椅子を使った特別なうつ伏せで、頚椎の神経や脊髄が圧迫されている部位、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)など頚部や背中の中心、督脈上のツボへの鍼による治療と、委中(いちゅう)とアキレス腱に対する鍼とマッサージを併用した治療を週に3回のペースで続けたところ、1週間で痛み、しびれ、知覚の鈍さは大幅に改善し、約1ヶ月半でほぼ完治した。
その後、時折肩こりに悩まされることがあるが、首の痛み、腕や指のしびれなどの症状は消失し、健康な状態を保っている。