女性 56歳 主婦
症状:右肩の痛み、肩関節の運動制限、倦怠感、不眠
現病歴
3年前からときどき右肩に痛みを感じるようになり、整形外科を受診する。
整形外科で肩に炎症があると診断され、電気療法を行い、痛み止めをもらって飲んでいたが痛みは変わらなかった。重たいものを持った時の痛みに加えて、洗濯物を干すときに腕が上がらず、無理に動かそうとすると激痛が走るようになったため、来院した。
鑑別診断
初診時の問診で、整形外科の治療から既に約2ヶ月放置しており、夜間と朝方にも痛みを感じるようになっている状態であることを確認した。
疼痛部位の肩周囲の筋肉の硬さは際立っていないが、肩を上げようとするときの激痛、運動制限から運動器系の変性による五十肩と診断。
また、倦怠感や不眠、手足の冷えもあり、自律神経の失調による更年期の症状と思われた。
運動器系の変性が原因である五十肩へのアプローチと、全身の血流を良くするための自律神経バランスの調整を行う必要があると判断した。
治療法
週に1回のペースで来院。
主に右の肩関節周囲の痛みのある部位と風池(ふうち)、上大椎(かみだいつい)、肩貞(けんてい)など肩周囲のツボ、機能低下している内臓のツボと足への鍼による治療をしたところ、4回目の治療で肩を上げた時の痛み、運動制限が軽減した。
週に1回のペースで約4ヶ月。洗濯物を干すときも重たい荷物を持った時の痛みもなく、左の首や肩にかかった負担がとれ、完治した。