男性 50代 会社員(デスクワーク)
症状:腰痛
発症:2021年5月
現病歴
来院される3日前の起床時に腰に痛みを感じたが動けないほどではなかったため、その後様子を見ていたが痛みが引かなかった。
今まで何度かギックリ腰をしており、これまでの経験からこれ以上無理すると動けなくなると思い、ハリアップに来院。
痛みは腰部全体で、長く座っているとだんだん辛くなってくるのと立ちあがる、座るなどの動作時も痛みが出現。
最近はデスクワークの時間も長くなり、腰まわりの筋肉の硬さが強くなった感じがしていたときの腰痛だった。
鑑別診断
座位の姿勢で骨盤が前傾に傾いているのを確認。立位の姿勢では背部まで筋肉の緊張が見られ重心は前傾ぎみで足の緊張もみられた。
しびれや感覚異常はなくSLRテストは陰性で、態勢を変えるなどの動作時に痛みが強いため、筋筋膜性の腰痛と考察。
治療法
伏臥位になってもらうと大腰筋の緊張が顕著で、患部に負担がかかっていたので先ずは股関節周りの緊張緩和を目的としマッサージ後に鍼の施術を。
痛みで全身に緊張が見られたので、頚部から背部は全体的にほぐし、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、完骨(かんこつ)、天宗(てんそう)などに刺鍼をした。
負担のかかっていた下肢もしっかりと緩め、承筋(しょうきん)、委中(いちゅう)、殷門(いんもん)に単刺をし、大腸兪(だいちょうゆ)に置鍼。
抜鍼後、仰臥位で大腰筋のストレッチと股関節の動きを調整し、硬くなっていたふくらはぎのストレッチをした。
最後、腹部の緊張には単刺でアプローチをし、頚部は手技で緊張緩和を図った。
施術後、座り姿勢や立った状態での腰部、背部の緊張がとれ、動きもスムーズになり痛みも軽減した。
鍼治療により制限されていた腰部の動きも改善されたが急性期ということもあり、2~3日は無理なストレッチ・過度の運動は避け回復に努めること
急性期以降に行えるホームケアとして、デスクワークで縮みがちな大腰筋のストレッチの提案をし終了した。